プライバシーに特化したブラウザ FireFox Focus が Android に対応

2017.07.18

広告を表示させないようにインターネットを閲覧するのは容易なことではありません。Web サイトや広告主は、気付かれないようにユーザーの行動をすべて監視して、ユーザープロファイルを作成しています。さらに、英国などの国では政府に代わって法律上義務付けられている ISP 監視が行われています。


完全な対策にはなりませんが、プライバシーブラウザを使用することが有効です。プライバシーブラウザは主にデスクトップユーザー向けですが、モバイルユーザー向けのものも増えてきています。


昨年 11 月 Mozilla が、デバイスに痕跡を残すことなく検索を実行できるように設計された iOS アプリ「Focus」を発表しました。そしてこの度、Focus の Android 版が公開されました(リンク先:英語)


しかし、デスクトップやモバイル用のほとんどのブラウザにはすでにプライバシーモードがありますが、それでは駄目なのでしょうか?


Focus には 2 つの特長があります。広告追跡システムを確実にブロックするので、ある種の広告ブロッカーとしても機能します。
Web サイトや広告システムはユーザーの行動を記録できなくなるため、プライバシーが保護されます。また、そうしたシステムがリモートサーバーと通信することがなくなるため、処理速度が低下せずパフォーマンスが向上します。


このように、Focus はプライバシーとスピードにとっては朗報ですが、匿名性を保護してくれるものではありません。Focus は広告の追跡を阻止し、デバイスでの表示履歴を消去しますが、特定の IP アドレスがどの Web サイトにアクセスしたかを ISP が記録するのを阻止できません。


ISP による監視を回避するには、プライバシー重視の VPN が必要です。あくまで憶測ですが、将来的に Mozilla のようなブラウザ企業が、Focus の進化版としてそのような機能を提供する可能性があると考えられます。または、ユーザーは Tor などの匿名ネットワークを使用することもできます。


不思議なのは、広告のブロックはできないものの、Firefox のモバイル版にすでに搭載されている機能を、新しいブラウザにも搭載することを Mozilla が選択した理由です (しかも、Firefox の既存の Android バージョンには、広告ブロック拡張機能をいくつも追加できます)。


答えは単純です。その名前が示唆しているように、Focus には最小限の機能しか搭載されておらず、複数のタブを実行することができません。ブラウザというよりも検索バーのようなものです。他のブラウザのように、さまざまな複雑な処理はできませんが、これは高度なプライバシー機能を実現するためです。


このことから、Focus が実際にはブラウザとして設計されていないことが分かります。ユーザーは、広告、分析、ソーシャルトラッカーをブロックするかどうかを選択して、検索 (Google、Yahoo、DuckGuckGo、Amazon、Qwant、Wikipedia、または Twitter) を実行するだけです。


セッション終了時にゴミ箱アイコンを押すだけで、アクティビティの痕跡が削除されます。
もちろん、Google や Yahoo で検索を実行しても、そうしたシステムから保護されるわけではありませんが、従来型ブラウザの匿名モードと同様に、特定のユーザーや他の検索履歴にアクティビティを関連付けることはできなくなります。


ただし、当然ながら限界があるため、Web サイトにログインしたり、フォームに入力したり、認証を実行したりする場合には、通常のブラウザを使用することをお勧めします。


要約すると、Focus を使用することで、iOS や Android での Web 閲覧にある程度のプライバシーとスピードを簡単に取り戻せるうえに、デフォルトの「ブラウザ」として機能させることも可能です。


Focus が革新的なのは、そうした機能を大きなブラウザの中に埋め込むのではなく、別個のソフトウェアに分割している点です。


現在、商業的な監視、さらに最近では政府による監視が行われ、ユーザーは数多くのサイトで広告に悩まされています。今後、Mozilla が次の一歩を踏み出して、信頼性の高いプライバシー VPN を組み込むようになるかに人々の注目が集まるかもしれません。


引用元

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