偽ニュース対策を打ち出し
Facebook が大歓迎されない理由

2017.02.17

Facebook が、新たな偽ニュース対策および自社が果たす役割について声明を発表(リンク先:英語)しました。今回発表されたイニシアチブは「Journalism Project」と呼ばれるもので、ジャーナリストがネットワークを情報源として活用できるようにトレーニングすること、また一般の人々が偽ニュースを発見し報告できるようにすることが目的です。この活動の多くは米国の非営利団体と協力して行われる予定です。


また、Facebook は NBC と CNN のジャーナリストだった Campbell Brown 氏をニュースパートナーシップチームのリーダーに任命することで、編集チームの強化を図っています。Brown 氏は 自身の Facebook ページで、「パートナーとの直接的な連携を通じて、ジャーナリズムのリーチの拡大とビジネス価値の向上に Facebook が役立つことを理解していただけるよう努めます。また、Facebook が報道機関向けの新しい製品やツールを開発している間、パブリッシャーからの継続的なフィードバックを歓迎します」と述べています。


このページを見る限り、Facebook は何が起こっているのかを発信するだけでなく、コンテンツの真偽についても真剣に取り組む気になったように思われます。しかし、コメントを残しているユーザーは、慎重な態度を示しています。


カーディフ大学のジャーナリズム教授で元 BBC のジャーナリストである Richard Sambrook 氏は(リンク先:英語)、このイニシアチブによって変化がもたらされると考えているものの、マイナスな面もあると述べています。「収益の一部を報道機関に提供することや、極めて有益なユーザーデータに報道機関が今以上に自由にアクセスできるようにすることは、Facebook に商業的利益をもたらすものではありません。」


Facebook の特性が、このイニシアチブの妨げになる可能性がある、とも述べています。「テクノロジー企業というものは、文化的にジャーナリズムを理解していないばかりか、ジャーナリズムに関心がありません。


「Facebook はコンテンツをコモディティ化した製品と見なしますが、ジャーナリストは『ニュースには単なるコモディティではない市民の情報が含まれている』と言うはずです。Facebook はシェアすることとシェアラビリティ (シェアされやすさ) がコンテンツの価値を決める重要な尺度だと考えていますが、シェアラビリティだけでは一般市民がメディアに求める価値を測ることはできません。シェアによって一般市民が何に興味を示すのかは分かるかもしれませんが、何が一般市民の利益になるかは分かりません。


「これが、Facebook が有名なベトナムの少女の写真(リンク先:英語)を検閲してしまった理由です。アルゴリズムに判断を任せることはできません。」


The Guardian 紙に長年勤め、現在はコロンビア大学のトウ・センター・フォー・デジタルジャーナリズム所長である Emily Bell 氏も(リンク先:英語)、同様に慎重な態度を取っています。


Bell 氏は、ニュースの拡散に積極的に関与していたことを認めた Facebook を歓迎しています。「極めて悪質な偽ニュースや嘘については、肯定的に責任を認識していると見なされるべきですが、誇張表現や都合の悪い情報の省略など、これに該当しないグレーゾーンが存在します。」


Bell 氏はまた、誰がどのような理由でその責任を負うことになるのだろうと不思議に思っています。「Facebook が依然として第三者機関に責任を委託していることを考えると、この取り組みがどのように機能し、どこから資金を得るのかについては不明なことが少なくありません。


「このことに真剣に取り組む時間を我々は Facebook に与える必要があるでしょう。Facebook の取り組みが有益かどうかは、パブリッシングに関するイニシアチブ自体ではなく、独立した妥協のないジャーナリズムを (金銭的にも技術的にも) 支えるエコシステム全体的に Facebook がどのような影響を与えることができるのか、にかかっています。」


Sambrook 氏は、Facebook のイニシアチブは Google の取り組みに後れを取っているものの効果はあると確信してますが、「ソーシャルメディアは、最近その必要性が再認識されているシビックジャーナリズムや十分な情報を得た上での公の議論を提供するようにはできていません」と語っています。


この記事でお伝えしたように、Facebook が表示するニュースを規制しようとするのは、今回が初めてではありません。

引用元

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